14年の歩み

奥山華名 本名 : 奥山篤子(坂本篤子)。1959年和歌山県新宮市生まれ。三重県南牟婁郡御浜町で幼少期を過ごす。
(2019記す)
私がデジタル彩色を始めたのは2005年です。その頃の制作環境(パソコン性能等)は今とは大違いでした。当初はMac G4を使用しましたが、メモリが1GB~2GBでした。その後、初代のMac Proを手に入れ、少しずつメモリを増設し、2012年頃からはメモリ20GBで制作してきています。その後のIT技術の進歩は目覚ましく、今ではメモリ256GBのマシンもあるようですね。
私はこれまで、制作において、ハードウェア性能がもたらす限界を強く感じながら制作をしてきました。その中で、このPC環境で何が作れるか、どんな表現が可能かの探究に没頭しました。この研究はとても楽しいものでした。
私は、文様を生み出すことに興味があり、そしてそれにはデジタル彩色がマッチしました。自身の文様へのシンパシーと、これまでのPC環境では作品をアートとして深く作りこむことができないという状況、これらが絡み合って、デザインとアートの境界に位置する作品(表現)が生まれました。そしてこれが、文様がベースになったアート《HARUNA-ART(文様のデジタルアート)》に進化していきました。
今、私は、使用しているパソコンの限界まで、表現を探究した感を抱いています(作品の大きさも含む)。もっと深く作り込めたら、そしてもっと紙面が大きくできたら、きっと、もっと世界観を広げられると、 作りたい作品イメージがあるにもかかわらず、相変わらず初代のMac Proを愛用しています。
このような経緯で制作されてきた作品群ですので、昨今のデジタルアートと比べ、サイズは小さいです。それでも、その時その時において、《このパソコンの性能で作れること》を模索し探究したことで生まれた作品たちです。
私のアート表現の進化はIT技術の進化を物語っている‥と、ここまで言ってしまうと傲慢でしかなくなりますが、私のアートが、IT技術の進歩とともに、それに支えられて歩んできたことは確かなことです。
どうか、このようなIT技術革新の時代背景を頭の片隅に置いていただき、HARUNA-ARTをご覧いただければとても幸いに存じます。